北海道新幹線個人的構想

四国新幹線、西九州新幹線と来たので、今回は北海道新幹線についてです。といっても、北海道新幹線単体についてだけでなく、JR北海道が今後どうあるべきかについて全道的に考えてみました。かなり無理がある、非現実的な内容だとは思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

ポイントは3つあり、
北海道新幹線(メインルート)旭川延伸
・宗谷本線を改軌のうえミニ新幹線
・道東方面の「根釧新幹線」建設と花咲線の廃止
です。そもそもの考え方として、北海道の鉄道網を維持していくためには、札幌近郊以外の狭軌線路を引っぺがして標準軌に敷き直したいくらいなのですが、貨物との関係やお金のこともあるので、札幌から遠い稚内根室からの速達性を高め鉄道としての必要性や意義を強くしていくことが目的です。

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北海道新幹線(メインルート)旭川延伸

整備新幹線としての北海道新幹線は、札幌が終点ではなく旭川が終点となっています。そのため、既にルートが決まっている札幌以南はそのままに、札幌以北を考えていきます。

在来線を走っている特急カムイ・ライラックは、この区間で札幌・岩見沢美唄・砂川・滝川・深川・旭川と停まります。しかし、石北本線方面のことを考えると在来線特急も一部残ることを考え、棲み分けをする必要があります。この中で、岩見沢は札幌都市圏の端に位置するため、ここを境に普通列車の本数も大きく変わることから、岩見沢には駅を設けます。本当はここから先全部ミニ新幹線化したいくらいなのですが、北見や富良野の貨物営業を考えるとそうはいきません。

そして、特に砂川と滝川が隣駅であることなど、特急停車駅も2・3駅程度しか離れていないため、この中から選抜するのではなく、棲み分けを図るためにウルトラC的に新幹線新十津川駅を作ります。場所は同じにはしませんが、滝川にも近いことからここを選定します。新十津川というと廃止になった札沼線が、末期は一日一往復しか来ないような場所で、鉄道の需要など無いと感じるかもしれませんが、そうなった理由は札幌まで時間がかかりすぎるところにあると思います。最初にも書いた通り、鉄道である必要性はその速達性にあると考えています。そのため、札幌まで30分程度となれば状況は変わるはずです。意外にも結構宅地開発もされているところなので、記念碑的な意味も兼ねてここに駅を置いてみます。ちなみにこういうケースはまた出てきます。その次は旭川です。

函館連絡線

四国新幹線の徳島のときも話しましたが、あくまで島内の速達性を高めるのが第一義であるため、札幌と函館を直接結ばないと意味がありません。そのため、新函館北斗から函館までは連絡線として、規格は低いものの直接乗り入れを実現させます。これは複線となっている七飯~函館の線路の片方を剥がして函館まで改軌することとして用地の確保を簡単にします。札幌で事業が終わってしまうのであれば、車両繰りの関係もあるのでH5系が乗り入れられるよう、ホームなども削って入れるべきだと思いますが、この案では宗谷本線ミニ新幹線化を提案しているのでミニ新幹線規格(在来線車両と同じ車両限界)でも可とします。

並行在来線関係の話

札幌以南も含めて全体的に話します

函館~森:道南いさりび鉄道

ここに関しては恐らく誰も異論がないと思います。森町も鉄道自体を無くす判断はしないのではないでしょうか。貨物が通るため線路は残さなければならないので、既にあるいさりび鉄道の枠の中で維持していくものだと思われます。ルートもいくつかありますが、藤城線も含めてとりあえず残すものとしておきます。

森~長万部JR貨物直営

この区間にある自治体は森町・八雲町・長万部町ですが、八雲と長万部には新幹線も通るので、わざわざ旅客営業を残す必要もないと思われます。そのため、JR貨物が管理する形で、武蔵野南線のように臨時の旅客列車が通る可能性は残しつつも駅設備等はすべて廃止させます。

長万部余市:廃止

既報の通りです。貨物列車も機関車の関係上通れないらしいので、役目は終えたものとして受け入れるのが筋でしょう。

余市~小樽:第三セクター

この案では【余市ニッカ鉄道】と勝手にしましたが、ニッカウヰスキーの協力を得て存続させるのが良いのではないでしょうか。工場見学という観光需要を喚起すること、またそれに伴う飲酒運転をさせないことの両面でも価値があると思います。新小樽駅まで伸ばすかはさておき、なんとかこの形で決着させたいですね。

札幌旭川間の特急と留萌本線

特急列車は本数を減らしつつも残す予定です。滝川や深川から直接の札幌・旭川需要は大きいと思いますし、少なくともホームライナー的な立ち位置では残ると思います。オホーツクも大雪のように旭川乗り継ぎがメインになるかとは思いますが、同じ気動車特急であるスーパーはくとが大阪より先の京都まで乗り入れるように、乗り換え無し需要もあるはずです。もしかしたら、新千歳空港旭川を結ぶ追分経由の特急に置き換えられるかもしれませんが、岩見沢に新幹線を通すようにしているのでそうなっても大丈夫です。

留萌本線は廃止されるものと考えています。これにより留萌振興局から鉄道が無くなってしまうことになりますが、既に日高振興局から鉄道が無くなっているので、そこの至上命題は形骸化しているのではないでしょうか。対札幌需要もオロロンラインに勝てない以上、やむをえませんね。

 

宗谷本線ミニ新幹線

稚内の鉄路を残す術こそ、在来線撤廃からの新幹線移行で速達性を上げることだと思っていますが、名寄以南は普通列車の需要もあるので、完全移行は難しいです。一方、貨物列車は走っていないので、新在併用も難しいです。そのためミニ新幹線化し、奥羽本線山形線のように標準軌在来線車両を導入します。現在以上の特急のアップデートをするにはこの手段しかありません。

ただし、名寄以北については大きく線形改良をします。そのため、ルートを大きく外れ、自動的に廃止となる駅も多くあります。その分、1市町村1駅の新幹線停車駅を確保します。比布を停車駅に加えた分、現状では南稚内は通過としていますが普通列車の設定数によっては停車駅としても良いです。

全ての停車駅は、
旭川 - 旭川四条 - 新旭川 - (貨)北旭川 (ここまで狭軌標準軌の単線並列)- 永山 - 北永山 - 比布 - 蘭留 - 塩狩 - 和寒 - 剣淵 - 士別 - 多寄 - 瑞穂 - 風連 - 名寄高校 - 名寄 - 日進 - (×智恵文 - ×智北) - 美深 - 初野 - 恩根内 - 天塩川温泉 - 咲来 - 音威子府 - 筬島 - (×佐久) - 天塩中川 - 問寒別 - (×糠南 - ×雄信内 - ×南幌) - 幌延 - (×下沼) - 豊富 - 兜沼 - 勇知 - (×抜海) - 南稚内 - 稚内
です。太字は新幹線停車駅で、(×斜字)はルート変更による廃止駅です。ただ、設備変更と同時に廃止する駅もできると思います。逆に智恵文なんかは移設先に新しく駅を作ってもいいかもしれません。しかし、南稚内も新幹線停車駅にしてそれ以外は名寄以北全部廃止が現実的かもしれませんね。糠南とかは無理に残すより今の姿を保存する方針にしたほうが良いのではないでしょうか。最終的に、全区間通した所要時間が現行の宗谷の半分くらいとしたいです。

上にも書いたように、北旭川までは貨物列車も来るので単線並列の予定です。宗谷本線の貨物営業はここまでなので、それより北は完全に標準軌とします。並行在来線は存在しないので、特に名寄までは利便性が失われることは無いでしょう。もしかしたら待避が増えるくらいですかね。

 

根釧新幹線

ンが一文字おきに5個付きます。リズミカルです。そんなことはどうでもよくて、道東方面の新幹線です。釧路までは既に特急が高速化されているので不要かとも思われがちですが、札幌から釧路まで片道4時間かかることを考えると、アップデートが必要となってきます。さらに、花咲線区間も2時間半かかってしまっては、自動車と所要時間も大差なく、鉄道である意義が失われています。そのため、大きな賭けではありますが、在来線を廃止して新幹線に変えます。北方領土系の振興予算とかも使えないですかね。

北海道新幹線とは岩見沢で分岐させます。ここからは三笠・富良野・幾寅と通り、十勝清水を目指します。三笠は幌内線の廃止によって鉄道が無くなりましたが、ここで新十津川同様復活させる計画です。しかし、岩見沢との駅間を確保するために、かつては幾春別駅だったところに設置しました。周囲に博物館しかないのが弱い立地に思えますが、10km程度の短距離移動はバスが担うものと割り切ります。その後山を突っ切って富良野へ向かった後、こちらも廃止が決まっている幾寅に鉄道を復活させます。なお、こちらもルートの都合上、現在の駅の場所ではなく道の駅付近に設置することとします。その次は十勝清水駅に併設して、帯広へと向かいます。在来線特急のとかちは残す予定なので、新得や芽室は拾いません。

一方、帯広より先は、おおぞらは残らないものと考えているため、池田・白糠・釧路と、浦幌以外の特急停車駅を拾うルートとします。釧路より先は花咲線の代替区間となり、厚岸駅を内陸部に移設させ、厚床駅も通りつつ、最後は回り込まずに根室駅に入ります。

並行在来線の話

並行在来線に当たるのは、全線にわたって根室本線です。

滝川~富良野:経営分離

富良野の貨物便がある以上廃止することはできませんが、富良野線と合わせて経営分離することで、赤平市芦別市などとも協働し、もっと地域に根差した路線とすることや、観光に特化させることを目指します。もしかしたら、路線を新十津川まで伸ばして北海道新幹線と接続させることを目指すかもしれませんね。函館本線石狩川を越えるのが大変だとは思いますが。

富良野新得:廃止

既報の通りです。寸断が長引いている以上、在来線で元に戻すよりは新幹線としてつなげることを選びました。

新得~帯広:現状維持

とかちを残すとしているので、大きくは触れません。ただし、普通列車の運行区間を十勝清水以東とし、新得占冠トマムと同じように、特急のみが走る区間に変更することとします。

帯広~釧路:上下分離

こちらも、釧路の貨物便のために廃止はできません。そのため、北海道高速鉄道開発が線路を保有する上下分離方式とします。三セク化とも思いましたが、十勝清水~帯広の普通列車と一体化した運行をするために、JRと切り離さない方が良いでしょう。

釧路~根室:廃止

重ね重ね言っていますが、新幹線に代替させて廃止とします。当然ですが東釧路までは残しますよ。約100kmをほぼ一直線に結ぶので、最速達だと30分程度で結べるようになるはずです。ここまでの時間短縮効果があれば利用も喚起できると思います。

日本最東端の駅は当然ですが根室駅になります。そのステータスのために東根室駅を残すなんてことはあり得ませんが、保存鉄道的な立ち位置で利用するのはアリだと思います。

 

その他JR北海道全体の話

在来線特急の話

札幌からは、室蘭行のすずらん長万部行の北斗、帯広行のとかちと網走行のオホーツクを残す予定です。本当は石北本線ミニ新幹線化することも考えたかったのですが、北見の貨物列車がある以上は改軌することが不可能です。ただ、線形改良には取り組みたいですね。

カムイ・ライラックについては未定です。単純な札幌旭川間の移動であれば新幹線に移行させますが、岩見沢以外の途中駅からの需要がいくらあるかによって本数は変わってきます。また先ほども言及しましたが、新千歳空港から追分を経由して旭川に抜ける特急が設定されるようなので、大方はこちらに移動するという可能性もあります。道東方面からの空港アクセスはとかちが担いますが、こちらも南千歳か新千歳空港始発と変更してもいいかもしれません。

普通列車の話

普通列車は、特に北海道においては都市間輸送を担えません。札幌圏内・旭川圏内・帯広圏内(・釧路圏内・網走圏内)で地元住民の足として維持しつつ、それ以外の区間は石勝線のように特急・貨物専用とするのも一つの手です。ただ、ネットワーク的に釧網本線は分断したくないので、リゾートしらかみ的な一発逆転ができればと思いますね。釧路へのアクセスが劇的に改善することが起爆剤となってくれれば良いのですが。そう考えると網走側も何とかしたいのは山々です。

 

まとめ

北海道新幹線
(連絡線:函館-)新函館北斗-新八雲-長万部新小樽-札幌-岩見沢新十津川旭川

【宗谷新幹線(ミニ新幹線)】
旭川-比布-和寒-剣淵-士別-名寄-美深-音威子府天塩中川幌延-豊富-(南稚内-)稚内

根釧新幹線】
(札幌-)岩見沢-三笠-富良野-幾寅-十勝清水-帯広-池田-白糠-釧路-厚岸-厚床根室

ということで、鉄道の強みであるはずの速達性を重要視するため、自動車より圧倒的優位に立てる新幹線を基軸としてアップデートすることを目的とした案を考えてみました。ツッコミどころはいっぱいあると思いますしそもそも実現性は薄いと思いますが、こうでもしないと最北端・最東端は残せないと考えます。設備更新にお金をかけるなら、今後使い続けられるようなもっと良いものにお金をかけるというのも一つの手だと思います。

 

四国新幹線と西九州新幹線についても考えてみたので、ぜひこちらもご覧ください。