ジャニーズファンが乃木坂9thバスラで覚えたカルチャーショック

おそらく好意的とはとれないものになるかとは思いますが、ご了承ください。だらだらまとまりのないへたくそな文章が続きますが、最後にまとめます。

 

2月22日は乃木坂46のデビュー日でした。それを記念して毎年行われているバースデーライブですが、今年は無観客生配信ライブという形で行われました。2月22日の記念日当日は前夜祭としてトークショーを、そして祝日の2月23日にコンサート形式のライブが開催されました。自分は乃木坂46のファンではあるもののいわゆる茶の間ファンで、CDをたまに買ったりラジオを聞いたりはしますが握手会やライブへは行ったことがありません。そこで、せっかく生配信で家で見れるならということで配信チケットを購入して見ることにしました。昨年のGWに配信された東京ドームライブや、つい先日行われた1期生による1stバスラの鑑賞会は見たため、それぶりに、そして配信を含めてリアルタイムでの初めてのライブ鑑賞となりました。ちなみに幻の2期生ライブのSHOWROOMも見ましたが、フルスペックのコンサートではないため除外します。

 

前夜祭は思い出話に花を咲かせるトークショー形式で、曲も3曲披露するなど楽しいものでした。しかし、ライブ本番、1曲目が終わってすぐ違和感を抱き始めました。

まず、1曲目の「ぐるぐるカーテン」が終わるとすぐにMCタイムになったことへの驚きです。前夜祭でも披露した「ぐるぐるカーテン」は披露されないものだと思っていたのでそこへの驚きがありましたが、デビュー曲という特別な楽曲なので納得しましたが、開始5分で喋りだすとは思いませんでした。こういう意気込みこそ前夜祭でするものじゃないの?と。その後のブロックが2チームに分かれてのパフォーマンスだったので半分のメンバーが着替えをするタイミングだったのだと思いますが、次の曲も同じ衣装で披露すればよいのではないかと。OVERTUREの勢いが失せてしまった気がしてなりませんでした。

続いて、先ほども述べた通り2チームに分かれて「インフルエンサー」→「シンクロニシティ」→「何度目の青空か?」→「帰り道は遠回りしたくなる」と披露し、全員での「君の名は希望」のパフォーマンスへとつながりました。2チームに分かれてということで選抜アンダー混ぜこぜとなったため、この方式は良いと素直に思いましたが、曲の変わり目がぶつ切りとなってしまうことへの違和感がありました。別のステージへとカメラを切り替えて曲をつないでいるので当然ではあるのですが、ここで覚えた違和感は"コンサートというより歌番組"という結論に至りました。会場が幕張メッセで大掛かりなセットは組めないからか、前夜祭をやった大きなメインステージと画面に囲まれたサブステージ、そしてその間のがらんどうの空間でのパフォーマンスという形式でした。ここで、自分はジャニーズクオリティに慣れすぎていたのだと自覚します。自分が2020年に見た配信ライブは『Johnny's World Happy LIVE with YOU』『アラフェス』『This is 嵐 LIVE』ですが、そのどれもがフルスペックのセットを組んでのライブパフォーマンスだったのです。広い会場、花道、巨大な機構、そして客席に置かれたペンライト……。この空間づくりの偉大さにここで気づかされました。

次の期別ブロックについて、4期生の「夜明けまで強がらなくてもいい」の布を使った演出は"無観客でしかできないもの"ではあったものの、やはり歌番組感が強いという印象を覚えました。しかし、次の「キスの手裏剣」→「Out of the blue」は良かったです。ここまでの44人から16人まで人数が絞られたことで、ひとつのステージで披露しても全員が画角に収まる状況になったということは、大人数グループにしかない苦悩だと思います。また、ようやくアッパーチューンが訪れたということもあるのでしょうか。8曲目で、2度のMCを挟んで、満を持しての登場というのは構成上の問題でしょうか。なぜ「ガールズルール」や「太陽ノック」をやらなかったのか、不思議でたまりません。

3期生ブロックは「逃げ水」→「トキトキメキメキ」→「毎日がBrand new day」の3曲でした。特に「トキトキメキメキ」で、引きのアングルで、画面に別撮りのリップシンクが写るのは、大きな会場での有観客を思わせる演出でとてもよかったです。この感覚が欲しかったのだと感じました。

2期生ブロックは堀未央奈さんの最後のバスラということで期待していました。ここまでの流れで1曲目は「バレッタ」だという予想はついていましたが、演出が残念でした。赤い照明で画面が見づらいことは確かめたのか、それでもカッコよさを重視したのか、意図はわかりませんが、それより問題なのが文字です。どうして文字を出した?何あの"図書室の窓際で""ヘミングウェイ"って。あれ本当に必要だった?なんで?と今でも怒りが収まりません。影の演出はよかったのでなおさら不満です。次の「アナスターシャ」は約束された神曲でした。花道のような空間に縦にメンバーが並ぶこと、そしてメインステージへ移動して歌うさまは見事でした。最後の「ライブ神」のカメラ演出は不評だったようですが、これこそまさに"配信でしかできないもの"という印象を受け、個人的には好きでした。曲の世界観にもマッチしていましたし。

満を持しての1期生ブロックは「制服のマネキン」からはじまります。減ったメンバーに寂しさを覚えるも、大サビで後ろの画面に生駒さん・西野さん・白石さん・桜井さん・若月さんと卒業したメンバーの姿が映し出された演出が感動的でしたね。続いて「サヨナラの意味」が披露されたのには驚きとともに再びの感動がありました。このままいい雰囲気のまま終わると思っていたのですが、事件はすぐ後に起こります。「狼に口笛を」のイントロが流れたとき、これはレアだとテンションが上がったのですが、まさか着ぐるみダンサーと踊ることになるとはがっかりでした。ちゃんとしたダンスが見たかっただけなのに、どうしてそれだけがないのか。メンバーもどうして首を縦に振ったのか、一番歴が長いだけに残念です。

MCでの向井葉月さんの仕切りぶりはお見事でした。そしてこのときいないメンバー的に次は「しあわせの保護色」だろうなと予想はしていたのですがスムーズに進むかと思いきや、まさかのVTR。乃木坂のコンサートでは男の人のナレーションが入ってVTRが進むという展開があるというのはなんとなく知っていましたが、こうまじまじと見せつけられると、どうして?と思わざるを得ません。なんというか、周りの大人たちの"乃木坂すごいだろ"感がどうも冷めるというか。そういうのって自画自賛するものじゃなくない?と思えてきます。「しあわせの保護色」は卒業する堀さんがセンターじゃないんだという思いはありましたが、そこは割り切ります。「ゆっくりと咲く花」は早くCDにしてください。「世界中の隣人よ」は、どうして1番の歌割を変えたのかがわかりません。白石さんと西野さんのソロパートはわかりますが、松村さんや高山さん、星野さんの出番がなくなったのはどうして?と。あまり与田さん山下さんをフィーチャーしすぎるとヘイトをためてしまわないかという不安すら覚えます。「Route 246」はMVの衣装だったのでよかったです。次の「明日がある理由」も初めて見ました。「ファンタスティック3色パン」は唯一のユニット曲でしたね。この3曲の流れはどこもぶったぎられずライブ感があってきれいでした。「I see...」は言わずもがなの名曲ですが、やっぱり再生回数言っちゃうんだって。もっとすごい曲だっていくらでもあるのに、それ言っちゃうとよくない。

アンダーパートはまさにライブでした。「口ほどにもないKISS」はソロパートが多いからこそ生歌だと一目瞭然で、「自惚れビーチ」はカメラワークが活きていました。これも"配信だからできること"ですね。「日常」も上からのカメラアングルが活きていました。

「Wilderness world」はライブ初披露でしたが、良かったです。最初のコントも普通のライブの演出としてアリだと思いました。ただ組体操は曲の世界観を壊しそうで……。

「いつかできるから今日できる」は流れとして意外でしたが、クライマックスへ向けてこの位置に来るのは納得です。次の「おいでシャンプー」は全員登場が良かったですね。「Sing Out!」はロゴだけツッコみたくなりました。「君の名は希望」「ゆっくりと咲く花」でも思いましたが、フルスペックのセットは組まなかったもののメインステージのせり上がり機構は用意していて良かったです。最後の「僕は僕を好きになる」は、紙吹雪は普通だと思ったのは感覚が麻痺しているからですかね。また、あの曲の間の短時間で読めたメッセージは向井葉月さんだけでした。彼女はこれを理解したうえで書いたのかわかりませんが、ファインプレーでした。

アンコールは「そんなバカな…」で泣き、「ダンケシェーン」で笑い、「乃木坂の詩」で締める恒例の終わりかったので、真夏劇場はともかく後味のいい終わり方にはなりました。

 

 

 

まとめると、今回の感想として一番に出てくるのは"歌番組っぽい"でした。ひとつは有観客向けでないセットがあるでしょう。そして期別ブロック前の曲のぶつ切り。これなら生配信でなくても編集すればよかったのではないかとも思えてしまいます。ここまで衣装を変える必要があったのかも疑問ですが、これは見ているファンへ少しでも楽しんでもらいたいというサービスなのかもしれません。ただ、ここまで好意的に受け止めようにもしこりが残るのは、普段通りのコンサートを見たかったという気持ちの表れだと思います。自分はジャニーズの現場にも3度しか行ったことがないため、Blu-rayで見ることがコンサートを楽しむ第一義になっていたからその形式でも抵抗がなかったのかもしれません。「トキトキメキメキ」や「I see...」「Wilderness world」は本当に良かったです。

そして、演出面でのカルチャーショックは大きかったです。もちろん大人数グループならではの苦労はあると思います。全員にMCを振ることができないというのも悩みのタネかもしれません。ただいくら梅澤さんが良いことを言っていたとしても最初のMCはOVERTUREからの流れを止めました。期別パート前も本音を言えば無いほうがよかったです。というより、スタートダッシュはアッパーチューンで畳みかけてほしかった。また、「バレッタ」や「狼に口笛を」はどうしてこうなったのか本当にわからないです。あと、自画自賛VTRとナレーションは首を傾げてしまいます。ナレーション入れるにもせめて本人なんじゃないかとか。ただ、前半の構成にはいろいろ思うところはありますが、後半はナレーションが無ければ良いセットリストだったと思います。

 

ここまで書いて、そういえば東京ドームの配信の感想書いてなかったっけと思いみてみるとこうでした。

このときは結構絶賛してますね。やっぱり「夏のFree&Easy」→「裸足でSummer」→「太陽ノック」みたいな流れが冒頭にあるだけで大きく違うなとか、ユニットコーナーもうまくいってたなとか、MCも適度だなとか、やっぱり普段通りの構成だったら良いんだなとか思い返しました。ただナレーションに文句言ってるのは変わりませんね。結局そういうことでした。

 

期別ライブはどうしようか迷います。12月の4期生ライブを見れなかったのが心残りなので4期生は見たいのですが、2期生がどうかによりますね。2期生は予定が合えばぜひ見たいと思っていますし、人数も絞られるので構成も組みやすくなるのではないかと期待しています。